つめたいよるに

著者:江國香織
出版:理論社
初版:1991.07.00.
紹介:現実と幻想の境界を静かに流れる時間。美しくも怖い9つの童話。
・デューク:可愛がっていた犬が死んだ。悲しむ私の前にハンサムな少年が・・・
・夏の少し前:課題で残された土曜の午後。洋子は教室で涼ちゃんのことを思い出した。・僕はジャングルに住みたい:小学校の卒業。みんながまわすサイン帳に・・・。
・桃子:親とはぐれた幼い桃子。そばで面倒を見ていた修行僧は恋に落ちて・・
・草之丞の話:僕の母はひとりで僕を育てていた。そんな僕の前に姿を見せた父は、幽霊だった。
・鬼ばばぁ:広場のこども達をのぞく養老院の窓にはトキの姿があった。トキと時夫の交流。
・夜の子どもたち:昼間こども達が遊んだあとの公園で、遊んでいるのは?
・いつか、ずっと昔:れいこと浩一。れいこがれいこじゃなかったとき、その昔の恋人は?
・スイートラバーズ:麻子が生まれる前日に、おばあちゃんは亡くなった。おばあちゃんの若い頃にそっくりになった麻子には・・・ずっとおばあちゃんが憑いていたのだ。
コメント:ちょっと怖いけど、でも幸せな気分になる。大人のためのおとぎ話みたい。

海風

著者:近藤啓太郎
出版:家の光協会
初版:1980.10.03.
紹介:海辺の町に暮らす、高校3年生の仲間たち。友達・恋愛・将来のこと、悩み多き時代をどうやってくぐり抜けるか。頭で考えるより、まずは体で感じることの大切さを伝える。
コメント:昭和55年に出版されたものですが、20年前にしても、ちょっと会話が古い感じ。作者の年代が高いのかな?その点をのぞけば、なかなか面白い本です。青春とか、青年期・・もしかしたら回顧録的?ぅまの子供達に読ませたら、なんて言うかな?ちょっと興味深い。

こうばしい日々

著者:江國香織
出版:新潮文庫
初版:1995.06.01.
紹介:ウィルミントンの町に秋がきて、僕は11歳になった。映画も野球も好きだけど、一番気になるのはガールフレンドのジルのことなんだ・・・・・・。アメリカ育ちの大介の日常を鮮やかに綴った表題作「こうばしい日々」。
結婚した姉のかつてのボーイフレンドに恋するみのりの、甘く切ない恋物語「綿菓子」。大人がなくした純粋な心を教えてくれる、素敵なボーイズ&ガールズを描く中編二編。(裏表紙より引用)
コメント:ちょっと軽めで読みやすい本なので、2時間ちょっとで読んでしまいました。
私的には好きな本ですね。時間が出来たらむすめ達にも読んで欲しいと思える一冊でした。思春期の入り口に立った子供の様子がなかな ゥいい感じです。「こうばしい日々」の方は、日本とアメリカの感じ方・違いの対比なんかもあって面白いです。

海暗(有吉佐和子選集第13巻)

著者:有吉佐和子
出版:新潮社
初版:1971.04.20.
紹介:伊豆七島のひとつ「御蔵島」に、基地問題が持ち上がった。
昔の離島の生活を知るオヨヨン婆の目を通して、次第に便利に文化になってゆく島の生活と、反面失われてゆくもの。目先のことだけでない物事の本質を見つめるオヨヨン婆の視点がとても魅力的だ。古き良きものと、新しいもの。本当の幸せとは何なのか?
はからずも降ってわいた御蔵島射爆場候補のニュースをそれぞれの人が別々の思惑で見つめる。
コメント:現在の島の生活とはもちろん比べものにもならないが、離島の先生不足・医者不足・子供達は高校になると島を離れるようになるし、根本的な問題はいまもなお変わらない現実がそこにあるのだ。
そう思うと、あらためて色々なことが考えさせられた一冊でした。

DIVE!!! 2─スワンダイブ

著者:森絵都
出版:講談社
初版:2000.12.10.
紹介:ただ飛ぶだけの  シンプルな演技だからこそ
どんなごまかしも通用しない
舞いあがる白鳥のような  スワンダイブ
コメント:待ちに待った「ダイブ」の続編。ダイビングの強化合宿のメンバー選考会。選ばれたのは、要一と飛沫。しかし腰の故障を抱える飛沫はメンバーを辞退させられ、変わりにメンバーとなったのは知季だった。参加することの出来ない選考会に何故挑ませたのか?「一瞬の快感・・・」それを味わうために・・・
ガーン!最後でビックリ「ダイブ3」につづく。2001.7月までお預けです。

蒼穹の昴 下

著者:浅田次郎
出版:講談社
初版:1996.04.18.
紹介:末期的症状を迎えている清国を世界の各国が伺っている。イギリス・フランス・ロシア・アメリカ・日本・・・西太后・李鴻章・袁世凱・・・そして時代は確実に移りゆく。
コメント:下巻では、清国の内側からだけではなく、外側からのさまざまな角度の話が進んでゆく。まさに、その時代の変遷を間近で見ているような気分にさせられる。
昴の運命に翻弄されながら、その人生を歩む男たちの姿が痛々しい。

蒼穹の昴 上

著者:浅田次郎
出版:講談社
初版:1996.04.18.
紹介:中華・清・西太后の時代。貧しい糞拾いの子・李春雲が、昴の星のもとで帝のそばに仕えるという予言を受ける。
兄のように慕う梁文秀は、科挙の試験を突破し、第一等「状元」で登第した。貧しい春児は、自らの手で、宦官となる道を選ぶ。二人の進む道はここで2つに大きく分かれてしまう・・・
西太后のもとで、古い中華と新しい世界の流れの中でそれぞれの人生を歩む二人の若者の行く末と、西太后・清国の未来は・・・
コメント:歴史が苦手な私も、こういう切り口なら、興味深く読むことができました。
中国の歴史の一部分、あるいはその側面を垣間見ることが出来て楽しい。「上」では、西太后とその周囲を取り巻く人間模様が描かれます。

君ならできる

著者:小出義雄
出版:幻冬舎
初版:2000.10.05.
紹介:平凡な記録の少女を金メダリストに変えた小出マジックの秘密。
駅伝で自己最高記録を出したあとも、高橋には、「おまえは一番になれる。絶対になれる。世界一になれる」と毎日のように言い続けた。彼女の姿に何か光るものが見えたのだ。選手と話をしていて、こちらが誠意を示して一所懸命になれば、必ず相手も一所懸命になってくれる。反対に、こっちが手を抜くと必ず相手も手を抜く。
名古屋国際で日本最高記録を出したのは、それからなんと二ヶ月後だった。たったひとつの言葉にも、人を変える魔法の力があるのだ。
(帯より引用)
コメント:今日、小出監督の「君ならできる」を買ってきました。
私が本を買うの、珍しいです。実はこれ、娘の受験面接対策用(笑)
面接の練習の設問に「最近読んだ本は?」「最近の主なニュース」というのがあって、ちょっと参考までに買ってみました。
結構いいですよ。子どももサラッと読めるし、受験期の子どもの応援歌にもなるし、親には「子どもの取扱説明書」的でもあるし・・・
冬休みに読んでもらうことにします。

夏の庭

著者:湯本香樹実
出版:新潮文庫
初版:1994.02.25.
紹介:町はずれに暮らすひとりの老人をぼくらは「観察」し始めた。生ける屍のような老人が死ぬ瞬間をこの目で見るために。夏休みを迎え、ぼくらの好奇心は日ごと高まるけれど、不思議と老人は元気になっていくようだ───。いつしか少年たちの「観察」は、老人との深い交流へと姿を変えはじめていたのだが・・・。喪われ逝くものと、決して失われぬものとに触れた少年たちを描く清新な物語。(裏表紙より引用)
コメント:このお話、山下が、おじいさんのお葬式にいったことからはじまりますね。
ところが、子供達は身近な死を実感したことがなかった。それどころか、実は身近にお年寄りと接する機会もなかった。そこで、近所の「今にも死にそうなおじいさん」の観察を始めたわけです。
これって、子供は残酷だなぁ・・・なんて思いました。もしも自分の子供がそんなことをしていると気づいたら、絶対に止めさせようするでしょうね。ところが、幸か不幸かこの中の親たちは、子供達が何をやっているのか全く気づかなかった。このあたりは、結構現実でもあるかもしれないですね。子供の行動や考えてること気づかないこともいっぱいあるでしょうね。

きらきらひかる

著者:絵國香織
出版:新潮文庫
初版:1994.06.01.
紹介:私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである───。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許し合って結婚した、筈だったのだが・・・・・・。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上がる誠実、友情、そして恋愛とは?傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説。(裏表紙より引用)
コメント:なんて言うのだろう。結構いい感じです。「ずっとこのままでいられますように」って云う笑子の気持ちが良く分かるよ。
結構こういう3人の関係って、いいなぁ。私ってヘン?