シズコズ・ドーター

著者:キョウコ・モリ
出版:青山出版社
初版:1995.10.05.
紹介:「有紀を愛していることだけは信じてください・・・」
一通の遺書を残して自殺した母、静子。有紀が12歳の時のことだ。
すぐに再婚した父への失望、継母への不振、級友とのあつれき。愛を乞いながら愛を拒絶し、母との芳しい想い出の中でしか自分の居場所が見いだせなくなった有紀は、ある日、母の古いスケッチブックから、その死の真相を知るのだった───。
美しい花に彩られた神戸の四季を背景に、多感な少女の心の闇が輝きに変わる日々を映し出した、魂を揺さぶる愛の物語。(表紙扉より引用)
コメント:作者は私と同じ年。こんなにヒドイ話ってあるのだろうか。自殺してしまった母に、置き去りにされた、その意識から抜け出せずにいる。愛はいつか失われてしまう。信じることの出来ない寂しさを抱え続けることは耐え難い。

あやし~怪~

著者:宮部みゆき
出版:角川書店
初版:2000.07.30.
紹介:「居眠り心中」昔流行の手ぬぐいでお互いの手をしばり心中する。そんなことがはやり、手ぬぐいを売った店はつぶれてしまったという。奉公にでた銀次が居眠りしているときにみたものは、夢だったのか?
「影牢」大番頭松五郎の回想。あの忌まわしい岡田屋の事件の真相は?
「布団部屋」兼子屋の代々の主人は短命だったと言う・・・。そして、そこの奉公人たちは、どんなに手に負えないものたちであっても、皆しっかりとしたお店ものになるということだ。そこには一体どんな秘訣が隠されているのだろう?
「梅の雨降る」気だての言い働き者の娘が、器量がよくないと言う理由で奉公を断られた。ある日「大凶」のおみくじを引いた娘は・・・・。
「安達屋の鬼」笹屋の嫁が語る、義母と一緒に暮らす鬼のお話。・・・・人として生きて、初めて“鬼”が見えるようになるんだよ。
「女の首」太郎は声を出すことが出来なかった。母を亡くして、かぼちゃに守られて大きくなった。奉公に出た先の納戸でみたふすまには女の首が・・・。その首は太郎にしか見えないのだ。
「時雨鬼」男の優しい言葉は、本物なのか?とれとも自分の欲望のためなのか?若い娘の迷いを見透かすように語りかける女は、「鬼は人の形をしている」という・・・。
「灰神楽」お店の女中が、刃傷沙汰を起こした。しかし理由が見あたらない。女はまるで何かに取り憑かれたようだ。そして、一緒に白い灰のような息を吐き出すと死んでしまった。女に取り憑いたものはなんだったのか?
「蜆塚」口入屋。同じ生業を長くやっていると不思議なことに出会うという。同じ顔をした同じ人間が十年たっても年をとらずに違う人間として現れるのだ。
コメント:これも、短編集。怪しい・不思議なお話が9編。

ハリーポッターと秘密の部屋

著者:J.K.ローリング
出版:静山社
初版:2000.09.15.
紹介:魔法学校で一年間を過ごし、夏休みでダーズリー家に戻ったハリーはいじわるなおじ、おばに監禁されて餓死寸前。やっと親友のロンに助け出される。しかし、新学期が始まった途端、また事件に巻き込まれる。
ホグワーツ校を襲う姿なき声。次々と犠牲者が出る。そしてハリーに疑いがかかる。
果たしてハリーはスリリザン寮に入るべきだったのだろうか。ウォルデモートとの対決がその答えを出してくれる。(裏表紙カバーより引用)
コメント:ハリーポッター第2弾!ホグワーツ校のどこかにある秘密の部屋の扉が何者かによって開けられたらしい。そこに住む魔物はいったい何なのか?だれが首謀者なのか?大切な仲間を助けるためにハリーはその謎に立ち向かう。
児童書とはいえ、大人も引き込まれる。これといって目新しいものではないのだけど、何故かハリーの世界に引き込まれちゃうのですね。ポイントはやっぱり友達・仲間ですね。

デルフィニア戦記11「妖雲の舞曲」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1996.11.25.
紹介:国王を人質にし戦端をひらく───
愚劣であるが確実な作戦を持ってなお、戦には敗北した。
デルフィニアの進撃を止めなくてはタンガ・パラストは滅亡する!二国の国王は恐怖した。
大華三国の均衡は守られねばならぬ。かくして二国再連合とスケニア、さらにファロット一族を巻き込んだ陰謀が始まった。(裏表紙より引用)
コメント:食事も睡眠もとらないリイを心配した王は、クスリで眠らせるという手段にでた。リイがその事実に気づいた時・・・けものとしての本性が、怒りが、爆発した。王と王妃の壮絶な戦い!!
一方タンガとパラストは裏で手を結び第3国スケニアを巻き込もうとしていた。新たなる戦いか?
そして、王妃は王の愛妾問題にも心を砕く。

デルフィニア戦記10「憂愁の姫将軍」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1996.07.25.
紹介:徒党を組んで反旗を翻したグラハム卿ら西部領主との決戦に国王ウォルの軍は大敗を喫した。頼みのラモナ騎士団は壊滅しウォルは囚われの身に・・・。
さらにパラスト・タンガの二国はこの機に乗じて同盟を結び虎視眈々とタウ山脈の金銀鉱を狙う。内憂外患デルフィニアの危地に姿を消した王妃リイの真意は。(裏表紙より引用)
コメント:パラストの人質となった王は拷問を受け、デルフィニア軍は戦うことも出来ない。一方タンガはポリシア平原を手に入れようとしていた。しかしそこはベルミンスタ家のロザモンドの領地だったのだ。
王の処刑が行われる。王妃リイは助けることが出来ないのか!?
王を取り返し、パラストに勝ったデルフィニアだが、王妃はふさぎ込んでいた。

デルフィニア戦記9「動乱の序章」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1996.03.25.
紹介:大華三国を隔てて聳えるタウは銀山なり───
タンガ王ゾラタスにもたらされたこの密告こそウォルたちが仕掛けたタンガの挙兵を誘う作戦であった。しかし鬨の声はデルフィニアの西方パラストから挙げられる!
微妙な緊張を保たせてきた三国はついに動乱に突き進むのか!?(裏表紙より引用)
コメント:王に愛妾を・・・。王妃をはじめ周りのものが気をもむのだが・・・。
一方、刺客ヴァンツァーは貴族の家に潜り込んだ。そんな中シェラのもとにファロットからの召還があった。
そして、王妃の企てで王はダルシニ家のポーラので過ごしたのだが・・・
そんな中、タンガとパラスト両国が同時に戦いを挑んできた。パラストに進軍した王は味方の寝返りに合い、なんと、敵の手に落ちたのだ!

デルフィニア戦記8「風塵の群雄」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1995.11.25.
紹介:王子が敵の手に落ち、意気消沈するタンガの陣に国王ゾラタス率いる援軍が到着した。迎え撃つデルフィニア国王ウォル。両国の王を将とした大群が国境の砦をはさんで対峙する。パラストを加えた大華三国は三つどもえの戦乱に突入するのか!?
デルフィニア王妃リィの存在がすべての「鍵」を握っている・・・?(裏表紙より引用)
コメント:タンガの王子と王妃リイとの一騎打ち。王子はデルフィニアの捕虜となった。そして、タンガとタウの独立騎兵隊との戦いは、タウの圧勝だった。タウは、自らの手で東峰を手に入れたのだ。
そして、バルロとロザモンド・ナシアスとエンドーヴァー夫人の恋の行方。
シェラを狙うヴァンツァー。シェラの刺客としての姿を見てしまったシャーミアンの驚き!その場を治めようとしたイヴン・・・左目と腕を失うことになるのだろうか?
一方、パラストのオーロンのもとに、この世のものではない使者が訪れた。「王妃をもとの世界に戻せ」

デルフィニア戦記7「コーラルの嵐」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1995.07.25.
紹介:国王に押しかけ愛妾出現!?王女にタンガの皇太子との縁談!?
日頃は剛胆なウォルも無敵のリィも、敵国の策略を知って激怒した。この事態に対抗すべく国を挙げリィとウォルの婚姻が敢行される。だが、厳粛な式の最中、タンガから宣戦布告が届けられた───剣を取れ!
国王の大音声が響きわたる!!(裏表紙より引用)
コメント:デルフィニアを狙うパラストとタンガから、王ウォルとリイにそれぞれ結婚の話が持ち上がる。この話を断るにはふたりが結婚することが最上の策なのだが・・・・。
いよいよ結婚式というときに、なんとタンガとの戦いが始まっちゃうのだ。
一方、シェラを狙う刺客が現れる。

デルフィニア戦記6「獅子の胎動」

著者:茅田砂胡
出版:中央公論社C★NOVELS
初版:1995.03.25.
紹介:騎士バルロが出撃する。叔父のマグダネル卿を討つために───
国内に争乱を呼ぶサヴォア一族の内紛とは、主家失脚を企む卿とその陰謀を阻止せんとするバルロの対立であったのだ。卿の背後にはデルフィニアを狙う大国タンガとパラストが・・・この危機を迎え撃つべく国王は自ら行動を開始した!(裏表紙より引用)
コメント:敵を欺くにはまず味方から。国王ウォルとバルロが打った大芝居。一方、王妃暗殺を命令されたシェラは一転、依頼主であるマグダネル卿を狙う。そこで出会った同じファロット一族。そしてシェラの里・ダリエスが何者かによって焼き捨てられた。
そんな中、王の懐かしい友人が愛妾にしてくれと現れた。彼女の真意は?

天女のあかり

著者:立原えりか
出版:愛育社
初版:2000.09.07.
紹介:タイの料理・文化・そしてギンナリーとギンノーンという精霊がこのお話のベースです。もうひとつのストーリーは、自分の容姿にコンプレックスを持った中3の女の子の恋心と嫉妬心。そして自分自身への後悔と許しをもとめるタイへの旅です。
コメント:主人公の設定が、容姿は美しくないけど心は美しいという、お金持ちのお嬢様なのだ。何だかありそうでなさそうな設定ですよね。まあ、お金持ちじゃなきゃ話が先に進まないのでしょうがない。その点を除くと、自分を好きになれない女の子の気持ちがよく表れていて、そういう心を克服するまでのタイへの旅が作者の旅行気風でもあり、ちょっと興味を惹く。タイという国はよく知らないけど、本当にこんな風に精霊と出会えるような雰囲の国なのだろうか?