著者:氷室冴子
出版:集英社
初版:1988.11.30.
紹介:僕となぎさと多恵子と野枝。幼なじみの4人は中学時代は一緒に勉強会なんかしたりして、けっこう仲良くやっていたんだ。だけど、なぎさのガールフレンドの多恵子のことが実はずっと好きだった。高校に入って、何となく中学時代のようにしっくりこなくなっちゃったのはどうしてだろう?僕はなぎさのまっすぐでひたむきにがんばるところが眩しくてたまらない。おまけに、なぎさのことが好きだという修子のことが、気になってきた。中学高校と、誰もが不安定になるその一時。
コメント:「なぎさボーイ」「多恵子ガール」の兄弟編という感じの作品です。
エリートに見られるよい子の北里くんに、実はなぎさくんは「かなわないなー」と感じてるんですね。でも本当は、北里はなぎさのひたむきさに負けちゃったりしてるわけで、
北里となぎさがお互いに意識し合っている。そこがこの本のおもしろいところなのね。
著者:黒武洋
出版:新潮社
初版:2001.01.25.
紹介:卒業式の前日、生徒を教室に集めた担任教師が生徒を人質に立てこもった。社会で犯罪を重ねていく、自分たちの欲望と勝手な自己満足のために、罪もない人々の生活を、不幸に陥れる。彼らの犠牲になった人々に代わって、彼らの担任教師がこれ以上の被害の拡大を食い止めるために、緊急措置を行う。
用意周到に立てられたその計画と、冷静沈着な行動。その心の中にある動機は・・・第1回ホラーサスペンス大賞受賞作
コメント:予約したのも忘れていた一冊。
タイトルを見て、一瞬読むのをためらったのですが、読み始めたらどんどん引き込まれていく。一瞬「バトル・ロワイヤル」を連想させる殺略シーンではあるが、根本にあるテーマが全然違う。少年法によって保護される加害者のプライバシー。真実を知らされない被害者。社会にでても、悪をまき散らすだけの少年少女たちを処刑(?)していく、一瞬そこに共感を覚えてしまう。
内容の是非はともかくも、読んでいくうちにどんどん引き込まれ、最後には予想を超えた結末。なかなか面白かったです。
特に我が子の問題行動に頭を悩ませながら、お金でしか解決できない親と、実は子供の死によって、開放された親の気持ち・・・どれもこれも、現実の中にないとは言えない物で、思わず引き込まれてしまいました。
著者:オグ・マンディーノ
出版:求龍堂
初版:2001.04.16.
紹介:涙なくしては読めない物語・・・・
さあ、これでいいい。準備は整った。弾丸を込めた弾倉を拳銃に戻す。さあ、急ぐんだ!もう何も考えるな!やるんだ!私は拳銃を持ち上げ、撃鉄を起こし、銃口をこめかみにおしあてた。
「ああ、神よ・・・・・・」私はすすり泣いていた。「どうかお許しを」
引き金に掛かった人差し指に力が入る・・・とそのとき・・・ある天使が・・・そう、まさしく天使が・・・私の命を救ってくれた。(本文より)(表紙カバーより引用)
コメント:新聞や、テレビで「感動の嵐!」とか「涙なくして・・」と話題になりベストセラーということもあって、夏休みに子供が読むのにイイかと思って購入した一冊。
確かに、イイ。涙もちょっとホロッと来るかも・・・。だけど前評判が高すぎて、おまけに時間をあけて読んだせいか、感動が分散しちゃった。
読むなら、三時間くらいで一気に読んだ方が良かったなぁ。
前半の、彼が、生きる目的を失う部分までの説明がちょっと中だるみしてしまいました。まあ、私がこの本に感動するほど、ピュアじゃないってことなのかもしれません。
著者:原田宗典
出版:角川書店
初版:1996.01.30.
紹介:どこにでもいる、例えば隣に座った見知らぬ人に、人それぞれのドラマがある。舞台で演じるのは彼。それを見ている観客は・・・
そんな隣人のドラマを集めた短編集。
コメント:夢とか希望とか・・・そういう物ではなくて、現実の日々の生活の中に潜む小さな断片。中にちょっとミステリアスなお話もある。ドラマチックな話じゃないけど、その人にとっては、すごく重大な一瞬だったりするのよね。
著者:村山由佳
出版:集英社文庫
初版:2000.06.25.
紹介:5歳年上のいとこのかれんとその弟の丈と同居して1年。大学生になった勝利の毎日は不安と焦りでいっぱい。恋人でもあるかれんとの仲が、なかなか進展しないからだ。ファースト・キスを交わしたけれど、かれんは本当に僕のことを好きなのだろうか?強力なライバルの出現、そして大学での新たな人間関係と、勝利の心は休まる暇もない。
シリーズ第2弾。かれんと勝利、ふたりの夏がはじまる!(裏表紙より引用)
コメント:かれんのお母さんがイギリスから帰って来ちゃって、勝利はイライラ・・・。
ふたりの仲が進展しないのは、読んでいるこっちもイライラしちゃう?(笑)
でもまあ、読者を焦らせ、だけどかれんに優しい勝利君には女の子なら憧れちゃうかも。
著者:原田宗典
出版:集英社文庫
初版:1996.06.25.
紹介:17歳。楽しくムチャムチャ充実している一方で不満だらけ。自意識過剰で、恥ずかしくって、キュートな愛すべき時代。身悶えしながら書いた恋文で呼び出し川原での早朝デート。不良志願の第一歩、隠れ煙草。下半身の“暴れん坊将軍”に苦しめられ、深夜の自動販売機で決行するエッチ本購入作戦。カッチョ悪い小豆島家で事件の顛末。思い出すたび胸の奥が甘く疼く、ハラダ君の愉快でウツクシイ高校青春期。(裏表紙より引用)
コメント:なんで読んだかって?姫のカレシが17歳だから・・・
だけど、これって、抱腹絶倒でした。電車の中でよんでて思わず、「プププ・・」って笑っちゃう。原田氏とは年代が近いせいか、何だか高校生の頃が懐かしくなっちゃうようなお話だったわ。
というわけで、ちっとも参考にならなかった(笑)
でも、また男子高校生が主人公の話を読みたいなー!
著者:佐藤律子
出版:ポプラ社
初版:2001.04.
紹介:我が家の次男・拓也は、小児ガンのために、16歳でその生涯を閉じました。彼とともに闘病に関わった1年2ヶ月は、彼にとっても、わたしたち家族にとっても、「生きること」の質を問い直す、短くて長い1つの旅だったように思います。
 そんな彼の死から数ヶ月後、私は小児ガンの子供達を、何かの形で応援したいと思い立ちました。お金持ちではないので、治療費の応援は出来ません。お医者さまではないので、最新の治療法を教えてあげることは出来ません。けれども、好きなことで楽しく応援できたら・・・と、無い知恵をしぼって考えました。
 そして、小児ガンの体験談集を作ることを思いついたのです。
 闘病している子供たちは、世の中にたくさんの「種」をまきつづけています。元気の種、勇気の種、思いやりの種・・・・・・。そして、どの子供も野の花のように凛としています。その種がいつか芽ばえ、たくさんの人の心の中で育つことを願って、書名は『種まく子供たち』としました。
 どうぞこの本が、みなさまのもとへ、ひと粒の種となって届きますように。(はじめにより抜粋)
コメント:HPの掲示板の書き込みにより、この本に出会いました。
ちょうど拓也君と同じ年頃の子どもがいるので、とても他人事ではなく思いました。闘病生活の様子はとても辛く心が搾り取られるようでしたが、読んでいくうちに、拓也君の強い前向きな意志と、まわりの人への感謝の気持ち、温かい思いやりがひしひしと伝わってきました。
拓也君。すてきな種をありがとう。きっときれいな花が咲いてくれるよ。
著者:村山由佳
出版:集英社
初版:1998.09.23.
紹介:4人でメジャーデビューをめざしている「涯」。彼は大学の講師に恋していた、しかも人妻。彼女は「涯」に何を求めてるのか?彼女の気持ちが分からない不安。
そんなとき幼なじみの「うさぎ」が、頼ってきた。何となく気になるのは、嫉妬?
みんなそれぞれ、悩みを抱えているんだ。
コメント:村山さん、年上の彼女、好きですねぇ・・・。
まあ今度の「涯」くんはけっこうさばけちゃってる男の子なんだけど、彼は彼なりに一生懸命がんばっているわけで、お話としては、前向きでいい感じです。
著者:村山由佳
出版:集英社
初版:1995.03.30.
紹介:今をときめく染織家、多岐川飛鳥、野生動物の命を撮り続ける藤代一馬。ベルリンの遭遇から、感動の、慟哭のラストまで。究極の恋愛小説。
アフリカの風が、私を変える!サバンナにくるまれた官能のひととき。
コメント:友達との三角関係が再燃してしまうこと、それを回避するために避けてきたのに・・・出逢ってしまった二人。それは運命なのかな。
なぜ養子なのか・・・。飛鳥が抱える苦悩・・・。
飛鳥が決して手に入れることが出来ないもの・・・。
なんかつらいです。だって、どちらもみんな幸せとは遠いんだもの。
著者:村山由佳
出版:集英社文庫
初版:1999.06.25.
紹介:高校3年になる春、父の転勤のため、いとこ姉弟と同居するはめになった勝利。そんな彼を驚かせたのは、久しぶりに会う5歳年上のかれんの美しい変貌ぶりだった。しかも彼女は、彼の高校の新任美術教師。同じ屋根の下で暮らすうち、勝利はかれんの秘密を知り、その悲しい想いに気づいてしまう。守ってあげたい! いつしか一人の女性としてかれんを意識しはじめる勝利。ピュアで真摯な恋の行方は・・・。(表紙裏より引用)
コメント:そもそも、場面の設定が、あり得ない感じだもんなぁ。
同居している女の子を好きになっちゃうのはいいとしても、ちょっとロマンチックすぎない?いやぁ・・・これくらいの距離感がいいのかな。どんなもんでしょ?