川上弘美
出版:2001.06.25.
初版:平凡社
紹介:37歳のツキコさん、よく行く店で肴の趣味のあう人がいると思ったら、高校時代のセンセイだった。30歳年の離れたセンセイとの関わりは心穏やかで、そのほとほととした想いはいつしか、恋愛感情のようなものへと変化していく。自分の気持ちへの戸惑いがツキコさんを不安定にさせる。
なんというのだろう?読んでいて、心が穏やかになっていく。ツキコさんの想いと、それに答えようとするセンセイの想い。しかし、30年の年の差はいつまでも寄り添っていることはかなわない。
前からタイトルが気になっていた「センセイの鞄」。だけど、何故だか、川上弘美という名前に抵抗があって、手にしなかった一冊。だけど、「古道具中野商店」を読んでイメージが変わった。この本もけっこういい感じで読めます。
恵まれない、身寄りのいないオリバーが救護院でひどい扱いを受け、奉公に出た先ではイジメに合い、逃げ出す。たどり着いたロンドンで子供の窃盗団組織に引き込まれるが・・・
ディケンズの原作は読んだことがない。孤児のオリバーがたくさんの苦難にあうのだが、最後は幸せになるというお話。いいお話・・・だったよ。
以下、独断と偏見の感想
航空機という密室の中で子供がひとり消えた。そんなことが起こるのか?と、予告編をみるたびにその真相が気になって見に行ってしまいました。
子を持つ親の立場としては、ハラハラドキドキ。ホー!真相はそうだったのかぁ?
以下、ネタバレ
アレックス・ロペス フェルナン・トリアス・デ・ペス
出版:ポプラ社
初版:2004.06.22.
子供の頃の親友に54年ぶりに会ったら、ひとりは人生で成功を収め、片方は全てを失っていた。運と幸運は違う。ただ待っているだけでは幸運をつかむことは出来ない。
どうやって幸運を自分のものにするのか?という寓話。
出版社の紹介文を読んで、どんなに素晴らしい本なのか?とかなり期待していたのだが、確かに悪くはない。人生の考え方とらえ方を、ひとつの寓話として分かりやすく紹介している点において、子供向けの本としてはまあまあだろう。出版社もポプラ社だし…。だけど、なんというか、出版社の紹介文はちょっと大げさじゃないだろうか?とひねくれものの私は感じてしまうのでした。子供が小学生くらいだったら、読んでみてもいいかもしれない。大人は字面だけでなく、もっとその奥にある深い部分を掬い取ればいいのだろうが、どうもなぁ…。「チーズはどこへ消えた?」スペンサー・ジョンソン著を思い出してしまった。どうも私は人生訓のようなものが好きじゃないらしい。
映画館で見たのだけれど、娘が見たいというので、さっそくDVDを借りに行った。ところが、棚はみんな貸し出し中で空っぽ!しかし、もしかしたら・・・・と返却済みの棚を捜したら、ひとつだけありました!ラッキー!
原作はイギリスの子供向けのファンタジー「チョコレート控除の秘密」。
ずいぶん古い作品だけど、そこに描かれている子供たちへのメッセージ・或いは風刺・皮肉は現代でも通じるものがあり、それが、色鮮やかでファンタスティックな映像と、軽妙なウンパ・ルンパのダンスで描かれていて、思わず引き込まれてしまう。「子供向けのファンタジーね…」などと、侮ってはいけない。
原作にはない、ウィリー・ウォンカの子供時代のトラウマとその克服も分かりやすくていい。
映画館で見てるのに、また新鮮な気持ちでみてしまいました。意外と見落としたり忘れているシーンもあって、それはまた別の意味でショックだったりして・・・。まさか、居眠りしてたわけじゃないよねぇ?
著者:森博嗣
出版:2005.06.25.
初版:中央公論新社
空を飛ぶこと、戦闘だけがクサナギの生きている意味。だけど、社会という大人たちはそれを許してはくれない。ティチャーとの思いがけない再会。再び戦闘。限りない喜び。
永遠の子供キルドレであるクサナギの物語。自分の好きなことだけをして生きていけたらどんなに幸せだろう?やりたいことがある人は多分、誰しもそう考える。だけど多くの現実は子供たちにそれを許してはくれない。クサナギの中に森博嗣を見るような気がするのは誤りだろうか?
著者:藤本ひとみ
出版:講談社
初版:2005.10.31.
藤本ひとみの作品らしく、フランスの歴史の流れの中でシャネルの恋愛を中心に物語りは進む。仕事と恋愛とどちらを選択したらいいのか?自分にとっての幸せ・生きている価値はどこにあるのか?ココ・シャネルの生い立ち、生きてきた時代背景。恋愛と仕事、その人生を描く。
孤児院に預けられても、強い意志で屈することのないガブリエル。その常に前向きの生き方には感心させられる。帽子デザイナーからファッション・香水・装身具。しかしそこには、ガブリエルの女性としての生き方が貫かれている。「可愛い守られる女性ではなく、自ら考えを持ち行動する女性のための服」ブランドのひとつとしてのイメージしかなかったのだが、ちょっと見方が変わったかもしれない。
昨日借りてきたもう一本がこれ。上映中からちょっと気になっていた作品です。
若い頃、海に飛び込んで脊髄を損傷したために、首から下が不自由となった主人公が26年間介護されて生きてきた。しかし、人間としての尊厳を守るために、尊厳死を裁判で勝ち取ろうと訴訟を起こした。
自分自身の人生のために死を選択しようとする主人公と、自分たちの生活を犠牲にして介護を続けてきた家族たち。家族として生き続けて欲しいと願うことは、主人公にとっては指図されていると感じてしまう。
尊厳死をめぐる裁判が公になり、主人公への応援、家族に対する非難など、さまざまな反響がでる中、苦悩する主人公と家族たちの姿が浮き彫りにされる。
自分自身の意思をもってする尊厳死。そして、尊厳死さえ選択できなくなる未来が待っているとしたら・・・いろんな思いが交錯しました。
朝から冷たい雨が降っている。寒くてジムに行く勇気が出ないので、サボってしまった。だけど、今日はビデオDVDが105円の日!それじゃぁ行かなくっちゃ!という訳で借りてきました。「アイランド」
汚染された世界から守られている人間たち。かれらは夢のアイランドに行くことを切望している。しかし、真実は人間が自分の体の保険のために作ったクローン(製品)だったのだ。契約者はクローンは植物のように臓器を栽培していると思わされている。クローンが現実を知ったとき・・・
逃げて、追いかけて、スリルとアクションが満載。しかしだ・・・ラストはあれでよかったのか?クローンを作ることの是非もそうだが、解放された彼らが、その後どうなっていくのか?そっちの方がもっと気になる映画だった。
著者:阿保順子
出版:岩波書店
初版:2004.02.20.
認知症患者間の会話は成り立っていない、しかし大切なのは、会話をしている雰囲気を共有すること。繰り返される行動パターンの中にそれぞれの生きてきた歴史や性格が凝縮されている。
認知症のお年寄りにとって、こうした病棟で集団生活を送るのと、家庭で家族と過ごすのとどちらが幸せなのだろう?家庭の中に閉じ込められ理解されず、介護する家族がストレスで消耗し、楽しい雰囲気さえ感じることが出来ないのなら、家族と認識できない他人といるよりは、同じ認知症同士でそれぞれの世界を重ね合られた方が幸せかもしれない。
認知症の一見不思議な言動を、客観的にとらえ、その世界を受け入れることができれば、家庭介護もうまくいくのだろうか?難しい問題だ。