ICO 霧の城

著者:宮部みゆき
出版:講談社
初版:2004.06.15.
紹介:霧の城へのニエとして生を受けたイコは、角のある子供だった。
親から話され、養父母の下でニエとしての心構えをしながら育ったイコ。村を守るためにその身をささげる。
しかし、彼には特別な御印が与えられた。霧の城に行って戻ってくる。
神官により、連れて行かれた石棺から抜け出したイコの目の前にカゴにとらわれた少女が現れる。少女を救って、霧の城を抜け出そう!
霧の城の謎と、少女の関係は?イコがなすべきことは何なのか?
コメント:プレステ2のゲームのノベライズ化した作品。
ファンタジーのようです。ゲームをしたことがあれば、情景がありありと浮かんでくるのかもしれません。ワクワク楽しく読めました。
途中、これは、どこかの国を重ねているのではないか?などと穿った見方をしましたが、そういうわけでもないようですね。

赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝

著者:石田衣良
出版:徳間文庫
初版:2004.02.15.
紹介:一時間で一億円の大博打。映像ディレクター小峰が誘われたのは、池袋最大ノカジノ売上金強奪の狂言強盗。ところが、その金を横取りされた。どん底から這い上がる男たち……。逆転の確立は二分の一。赤か黒。人生のすべてをその一瞬に賭ける!(裏表紙より引用)
コメント:誠は出てこない。小峰と行動を共にするのはサル。
狂言強盗にしても、賭博にしても、決してまっとうな社会とはいえないが、その中で、自分の力で這い上がろうとする小峰。埋もれてしまわないところが読んでいてすっきりする。

池袋ウエストゲートパーク

著者:石田衣良
出版:文藝春秋
初版:1998.09.30.
紹介:池袋の町を舞台に誠とその仲間が活躍。
池袋西口公園で出会った女の子の一人が行方不明になった。ストラングラーを探し出せ。〈絵のうまいしゅん〉(池袋ウエストゲートパーク)
羽沢組のお嬢さんの姿が消えた。捜査依頼された誠は中学の同級生サルと出会う。
手がかりはコンビニで消えた車。〈ひきこもりの和範〉(エキサイタブルボーイ)
恋人をシャブから守ろうとしたイラン人の男。彼を守り、裏社会の売人達の証拠を突き止めろ〈コンピューターの師匠ケンジ・電波マニアのラジオ〉(オアシスの恋人)
ある日、池袋の町がGボーイズとレッドエンジェルスの二つに分かれて、闘争を始めた。続く小競り合い。流される血。誠は池袋を一つにまとめるために動く。若者たちの裏で蠢く黒幕の姿を暴きだせ。(サンシャイン通りの内戦)
コメント:池袋ウエストゲートパークの始まり始まり…
スポーツクラブでバイクをこぎながら読むのにちょうどよいスピード感。

恋愛小説

著者:川上弘美 小池真理子 篠田節子 乃南アサ よしもとばなな
出版:新潮社
初版:2005.01.25.
紹介:「天頂より少し下って」川上弘美
「夏の吐息」小池真理子
「夜のジンファンデル」篠田節子
「アンバランス」乃南アサ
「アーティチョーク」よしもとばなな
5人の作家が織り成す、5つの恋愛模様
コメント:どの作品にも登場するのが「お酒」そのせいか、違和感なく読める。
乃南アサの「アンバランス」は、男女のお互いの気持ちのずれがなかなか面白い。

最後の願い

著者:光原百合
出版:光文社
初版:2005.02.25.
紹介:度会恭平 話を聞いただけで、当事者も気づかずにいる物事の真実を解き明かす。
「花をちぎれないほど…」隠されたお嬢様の本性は?
「彼女の求めるものは…」男たちの周りに近づく、正体不明の女の目的は?
「最後の言葉は…」画家の死に不信感を持つ妻。友人のデザイナーの許せない行為の訳は?
「風船が割れたとき…」小学校卒業前のミュージカル。子供たちの夢を託した風船がすべて割られた。
「写真に写ったものは…」洋館にまつわる悲しい出来事。隠された真実は?
「彼が求めたものは…」幼い記憶に残る火事の記憶。亡くなった女性とその息子。バラバラだった事柄が次第につながっていく。
「そして、開幕~」いよいよ劇団Φの幕開け。しかしその劇場には何かが出るらしい~。
コメント:度会の顔がイメージできないのだが・・・姿だけ。
光原さんの、小さなミステリーの積み重ね。度会の元に集められたメンバーで上演される劇はどんなものになるのか?見てみたい。
しかし、なんだか無理に一つの物語の中に収めようとしている感じがするな。ちょっと必然性にかけるかも。まあ資金なしの人集めだから、無理はしょうがないか。

間宮兄弟

著者:江國香織
出版:小学館
初版:2004.10.20.
紹介:兄・会社員34歳。弟・学校職員31歳。2人でマンション暮らし。兄弟に今まで恋人がいたためしがない。2人の失恋は、心の中での片思いの失恋。「もう女の尻は追わない」と決めた二人は、気楽で平穏な日々を過ごしていた。はずだった・・・
レンタルビデオ店のお気に入り店員とその妹。。先の見通せない恋愛をしている学校の先生。不倫の恋愛をしている上司と、離婚を言い渡されたその妻。
それぞれが抱えている思いが、見事にすれ違って、でも、まあそこそこの幸せ。
http://www.shogakukan.co.jp/ekunimamiya/
コメント:江國香織の恋愛をめぐる小説といえば…切ない恋の話かと思うのだが・・・
確かに切ないのかもしれないが、ありえない?いや、なんだかそこかしこにいそうで、かえって不気味な男たち。と言ったら失礼か・・・
絵に描いたもちのように、ステキな恋愛じゃなくて、なかなか思うようにはならない人生の連続。でもまあ、それはそれで、人生恋愛がすべてじゃないしね~。という感じかな?

セックスボランティア

著者:河合香織
出版:新潮社
初版:2004.06.30.
紹介:障害者だってやっぱり、恋愛したい。性欲もある。その思いを満たすための「性の介助」の現実とは? 彼らの愛と性に迫るノンフィクションの意欲作。
目次
序章:画面の向こう側
第1章:命がけでセックスしている─酸素ボンベをはずすとき
第2章:十五分だけの恋人─「性の介助者」募集
第3章:障害者専門風俗店─聴力を失った女子大生の選択
第4章:王子様はホスト─女性障害者の性
第5章:寝ているのは誰か─知的障害者を取り巻く環境
第6章:鳴り止まない電話─オランダ「SAR」の取り組み
第7章:満たされぬ思い─市役所のセックス助成
第8章:パートナーの夢─その先にあるもの
終章:偏見と美談の間で
コメント:どんな内容の本なのか?全く知らずに読み始めた。序章を読んで、驚いた。
恥ずかしながら、わたしが今まで考えた事もない問題だったのだ。
障害を持つ人にとっての性。それは決して特別なものではなく、実は健常者と同じものである。確かに、ハンディキャップがもたらす問題は、生きていく上で必要な様々な障害となって、性の問題も含めて、降りかかる。そして「性」については、否定的でないものとされてきた現実。知らないことがあまりに沢山あって、色々と考えさせられた。

いとしのヒナゴン

著者:重松清
出版:文藝春秋
初版:2004.10.31.
紹介:30年ぶりに目撃された謎の生物ヒナゴン。その存在を信じる、元ヤンキーの町長イッちゃんと教師のジュンペ。そして、嘘つきといわれた健作じいさんを信じているノブ。
中国地方の過疎化の町を舞台に、周辺市町村との合併問題。故郷の町を出て行った者たちと、地元に残った者たち。それぞれの思惑の中でヒナゴンが利用されていく。
町を守るために、そこに住む人のために、合併の賛成派:反対派。さらに、町を飲み込もうとする大きな市。果たして、町長選挙の行方は?町長イッちゃんの決断は?
そして、ヒナゴンはいるのか!?
コメント:タイトルから、ヒナゴン探索のどたばた物語を想像。しかし、ドタバタしているのはイッちゃんを筆頭とするしょうもない40男の悪ガキたち。
半分くらいでヒナゴンは私の頭の中からすっぽり抜け落ちてしまった。
さて、このおはなし、地方で育った人だと、もっと共感できるのかもしれないが、イッちゃんはじめ昔の仲間たちがいる故郷って、その仲間たちが宝物だなと感じた。
過疎でも、どんな町でも、帰ってくる故郷があるというのはなんだかうらやましいなぁ。希望だけでなく、「やり残したこと」があると「後悔」が残ってしまうというところが、若い人の心に触れるかもしれない。
物語は、なかなかいいラストでした。

反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパークⅤ

著者:石田衣良
出版:文藝春秋
初版:2005.03.10.
紹介:風俗のお店に女の子を紹介する、腕利きのスカウトマン。「スカウトマンズ・ブルース」
70年代の終わりに一曲だけヒットを飛ばした伝説のロッカーの夢はロックの殿堂を作ることだった。「伝説の星」
世界的な人気を持つ人形ニッキー・Z。彼女たちを作っているのは、劣悪な労働条件の下で働かされている中国の女子工員たちだった。
中国の工場で彼女は殺された「死に至る玩具」
インターネットで仲間を集め集団自殺を幇助するもの。
その集団自殺を阻止させようとする、自殺者の遺児たち。「反自殺クラブ」
コメント:大切なものは、人と人とのつながり…
ウエストゲートパーク。1から読んでみようかな。

著者:中村文則
出版:新潮社
初版:2003.03.25.
紹介:昨日、私は拳銃を拾った。これ程美しいものを、他に知らない-。銃に魅せられてゆく青年の心象と運命を、サスペンスあふれる文体で描く。第34回新潮新人賞受賞作、第128回芥川賞候補作。
コメント:銃を手にするという思いがけない出来事。人を殺すために作られた道具。
その美しさと圧倒的な存在感で、銃は持つ人を支配し始める。銃に心を操られるように、主人公が向かう場所は…。
あとがきで作者は、「この本は決して読んだ人を幸福にする物語とは言えず、人に好まれる主人公ではない」といっている。けれども、書かずにはいられなかった。自分が失われていくその絶望を書くことによって、彼はその先にどんな希望を見つけたのだろうか。